JOURNAL

真夏のお抹茶 / はじめてのお茶会

2023年8月19日 – 20日
はじめてのお茶会を開催しました。

名前の通り、茶道経験のない方向けの体験会。
群馬県太田市にある本格茶室、kuri-anさんをお借りしての開催でした。

扇子の使い方をレクチャーした後、
庭に出て手を清め、躙り口へ。
小さな入口に苦労しながら入ると、そこは宇宙にもたとえられる茶室の中。

明るい外から薄暗い茶室に入り、目が慣れてくると
だんだんといろいろなものが気になり始めます。

床の間には掛け軸と、いけられた花、そして小さな香合。
花入れはなんと、柱にとまっているいる蝉のかたちをしていました。
花はタカノハススキ、ミシマサイコ、木槿。
1日目のみ、これにリンドウを加えておりました。
2日目はよりシンプルにしたく、3種のみで。

掛け軸には「松風塵外心」と書かれています。
「しょうふうじんがいのこころ」と読みます。
松風の音(釜の湯が沸く音のたとえ)に耳を傾けると、世俗の塵から解放される心境のこと。
お茶室では日常の嫌なことや悩み事、心のもやもやを忘れて、目の前にあるお茶に集中しましょうという意味。
お茶室でお茶をいただくと、目の前のお茶で頭がいっぱいになり、
他のことはすべて忘れてしまいます。
一つのことに集中し楽しむことは、心を軽くする方法のひとつなのです。

お茶を点てるための道具もあります。
これらの道具はどのように使うのでしょうか?
それは実際にお越しになった方の楽しみです。

お作法に則り、お菓子を食べ、お抹茶をいただきます。

お菓子は練切製の「遠花火(とおはなび)」。
芯はこし餡です。
遠くに見える花火はどこかはかなく、夏の終わりを感じますよね。

夏は平たい茶碗を使います。
少しでも抹茶が冷めやすいよう配慮されたお茶碗です。
今日は柳桜園さんのお抹茶です。

薄暗い茶室にみんなで並んで正座して。
はじめは緊張した面持ちのみなさまも、
お菓子を食べ、お茶を飲むと顔がほころびます。
だんだんと気持ちもほだされ、
帰るころには心が軽くなっていることに気づくことでしょう。

片付けた茶室はさみしい。
お茶を囲む人々が居てこそのお茶室ですね。

お茶の役割を改めて感じる2日間となりました。
みなさまも一緒にご一服いかがでしょうか?

[茶の湯]