JOURNAL

店名に込めたもの

立春を迎え、新しい流れが始まりました。
弊店では二十四節気の暦を利用していることもあり、
2月はどこか、身の引き締まる思いがします。

2022年3月に11歳になる弊店ですが、
ありがたいことに、
最近、弊店のインスタグラムやLINEをフォローしてくださる方が増えました。

長くお付き合いいただいている方も、
最近弊店のことを知ってくださった方もいらっしゃるかと思いますが、
「呑龍文庫ももとせ」とは何なのか。
このあたりであらためてご挨拶をするべきかなと考えました。

こんにちは。
呑龍文庫ももとせ です。

弊店は2011年3月、群馬県太田市にオープンしました。
「呑龍(どんりゅう)」という、喫茶にしてはやや強めの名前は、
弊店のすぐ近くにあるお寺、「大光院(だいこういん)」に由来します。

大光院は、徳川家康が呑龍上人を招聘し創建したお寺。
呑龍上人はその当時、子どもが間引かれてしまうことを嘆き、
子どもたちを弟子として預かり育てたそうです。
そうした歴史から、
地元の人たちの間では「子育て呑龍」の名前で親しまれています。

余談ですが、群馬県で有名な「上毛かるた」の「お」の札は
「太田金山(かなやま) 子育て呑龍」
とあり、このお寺のことを指しています。

そんなこの土地の歴史への敬意から、この名前を店名の冠に配しました。

続いて、「文庫」は、その名の通り本をたくさん置いているから。
書籍や写真集、美術展の図録、漫画も少々。
ぱらぱらとめくれば楽しく、少しだけ刺激を与えてくれる本たちを
並べています。
きっと、お茶の時間を豊かにしてくれるはずです。
ちなみに、本は時々入れ替わりますので、
一期一会と思って楽しんでいただけたら幸いです。

そして、「ももとせ」。

ももとせという言葉は、漢字では「百年」と書きます。
亭主である私はデザイン業を営む中で、
たくさんの素晴らしいデザインに出会いました。
しかし、こうした美しいデザインたちが
あまり日の目を見ていない状況を憂えていました。

たとえ微力でも、
魅力あるデザインと人々の出会いの場を作れないか。

実は、こうした思いが弊店を始めるきっかけでした。
弊店が喫茶、カフェの形を取りながら物販スペースを広く設けているのは
こうした理由からです。

素晴らしいデザインや技術が百年続きますように。
そうした思いが、この店名に込められています。

店内には末永くお付き合いできる一品を取り揃えております。
お茶とお菓子のお楽しみの合間に、
ぜひ美しいデザインの品々に目を向けていただけたら幸いです。

さて、デザインの重要性は、弊店の根底にある大切な考えです。
その思いは店のロゴにも込められています。

そのお話は、また次回。

[ももとせ]