ガラスの向こうのパンナコッタ
ある日、とあるショップでガラスのうつわと出会いました。
ガラス特有の緊張がありながら、そのフォルムにはやさしさがあり、なんとも心地がよい。
この縦横比がたまりません。
このころんとしたかわいらしくも美しくもあるうつわを、
ももとせのお客さまにも味わっていただきたい・・・
その素敵なうつわは松本のリトグラスの永木さんの作品でした。
さっそくコンタクトを取って、忙しいところ無理をして作っていただきました。
さて、ここからが問題です。
うつわを用意したはいいけど、何を入れてお出ししようか・・・
季節は冬本番。
冷たいお飲み物を出すのもしっくりこない・・・
完全にうつわ先行の企画でした。
自宅の近所に、いつも店先で茶を焙じているお茶屋さんがあります。
いつも良い香りを漂わせ、通りすがりの人たちもその香りを楽しんでいる様子。
そのお店の前を歩いているときに、ふっとアイデアが降ってきました。
ほうじ茶の風味を活かしたスイーツがいいのではないか!
二層に分けて、横からも景色が楽しめるように。
ガラスであることを活かしたい!
その足でほうじ茶を買い求め、今回は生クリームを使ったパンナコッタにしました。
自宅で試行錯誤を重ねる日々。
パンナコッタにした時にほうじ茶の風味をより感じられるように、
焙じ香の強いタイプのほうじ茶を選びました。
また、よりコクを出すためにグラニュー糖ではなく、きび砂糖を使用。
ほうじ茶の茶色とも相性がいいです。
ほうじ茶を煮出した甘い蜜もつくり、
それを上からかけて見た目を二層に。
クリスマスという時期でもあるので、
華やかに、ベリーを添えて。
見た目だけでなく、果実の酸味とほうじ茶のマッチングも楽しめます。
ガラスの淡い色の向こうには、ほうじ茶の香りを閉じ込めたパンナコッタ。
美しいガラスのうつわに端を発する、ももとせの新作スイーツです。
うつわと中身、あなたにとって、主役はどちらでしょう?